12/17/2012

kings / Kuhn


 ブルックリンからの!若干24歳の!新進気鋭ビートメイカー!なんて、ありがちなイマっぽい肩書きを引っ提げたKuhn(キューン)。いつからかやけにSynth回帰 / Sweet Soul回帰が目に付くビートシーンに、異常な"臭み"でカウンターを仕掛ける彼の3作目が全曲素晴らしい。LuckyMeの朋友Obey Cityとの共作である"I Quit"はまさに先述したような売れ筋ど真ん中のアンセムトラックなのだが、後に控える3曲はいずれも癖の強い臭いを発している。捻くれたサンプル構築+複雑ながらもスマートなJukeビートで、ラスタに留まらず中東以東のトラッドの影響も感じさせる。過加工なコーラスが積み上げられた"Never Forget"はバッドトリップ感全開だし、"NWYRK"はWagon Christを現行ビートフォームでアップデートした様で非常に痛快だ。結局国内外でFootworkバブルはあっという間に弾けてしまったし、Trapの浸透にも不器用さを感じて心配してしまうけど、こういう頭の螺子が外れた音楽家はいつの時代にもどこかしらに自然発生するので、僕らも獣臭に鼻を利かせていかなくてはならない。(2012  CIVIL MUSIC)

0 件のコメント:

コメントを投稿