7/05/2014

สนใจดนตรีแห่ / ?


グリーンバックにヒールを履いて腰をくねらせる水着の女性、ピン(タイの三弦ギター)を持つ子どもと笑顔のおじさんとキャミソールの女の子とシンセを肩から掛ける水着の女性、そしてエレキギターとシンセを弾くおっちゃんというデザインのジャケットである。買わないわけにはいかない。このディスクには25分のトラックが2つ収録されていた。PCに入れても曲情報は出てこない。肝心のサウンドは、BPM140で、強弱のないベタ打ちのドラムの音+四打ちカウベル&ベースのルート弾きの上にピンの速弾きが乗っているだけである。これが延々各トラック最初から最後まで続くのだ。冒頭の数分間は面白い音楽もあるのだなぁ、と思っていたが、次第に退屈になっていく。しかし、ついついフルで聴いてしまう、流れ
ているとついつい手拍子を打ちたくなってしまう、テンションが上がる、そういう音楽である。(ジャケット情報によるとこれは「パレード行進音楽」らしいです。) 

Don't You Think It's Time / Courtial With Errol Knowles


Aztecaのメンバーがリーダーをとったグループが唯一リリースしたアルバム。ラテン・ジャズのグルーヴにソウルフルなヴォーカル、メロウなエレピが絶妙に合わさり、ごった煮感のないバランスのとれたクロスオーバーサウンドが心地いい一枚。1曲ごとの作曲能力やアルバム全体を通しての完成度の高さは言うまでもなく、ワイプのベッキーの涙を誘うBill Courtialの哀愁漂うキレキレのギターソロも聞き所。(1976  Pipeline Records)

Kill Them With Kindness / Headlights

アメリカ合衆国はイリノイ州で活動する4人組、Headlights。そんな彼らのデビューアルバムである本作は、あのAmerican Footballを輩出したポリヴァイナル・レコードからのリリース。 50、60年代のポップスを下敷きに、生楽器とプログラミング・シンセが程よく混ざり合ったキラキラとしたサウンドは、休日や週末の夜のお供にちょうどいい。ユルく長~く付き合っていける、良質なポップス。(2006 Polyvivyl)

Faith / George Michael


ラスト・クリスマスで日本でもお馴染み、ワム!の張本人ジョージ・マイケルのソロデビュー作にして、全世界で1200万枚を売り上げたモンスターアルバム。ブラックミュージック、とりわけR&Bやゴスペルの影響を強く受けた楽曲群が並び、彼の音楽的ルーツが伺える。それにしても4曲目のOne More Tryは本当に,とんでもなく良い。ジョージはあるインタビューの中でこの曲を自身の「最高傑作」と称しているが、本当にその通りだと思える。ちなみにこのアルバムからは先のOne More Tryを含む6曲がシングルカットされ、その内4曲がビルボードHOT100の首位に輝いている。ジョージ・マイケル、恐るべし。( 1987 Clumbia, Epic )

Field of Reeds / These New Puritans

このバンドはThe Horrorsを超える「進化するバンド」ではないだろうか。前作「Hidden」が英音楽メディアNMEのAlbum Of The Year for 2010に選ばれてから、およそ3年の月日が流れた。デビュー作の「Beat Pyramid」は平均三分未満のトラックで構築された、若い、モダンパンク的作品、前述した二作目の「Hidden」はビートを重視したダンサブルかつ、前作を超えた原始的宗教の香りの漂う作品。三作目となる今作は、メロディアスで洗練された、あらゆる感情に満ちた人間的作品といえるだろう。彼らはこの作品で音楽を通して、限りなく透明なまなざしで彼ら自身の心奥を描いたのだ。それは美しく、心奪われるもの。このアルバムで踊ることはできない。しかし体を動かさずとも、彼らは私たちを連れて行ってくれる。愛、希望、絶望、喜び、悲しみの世界に。(2013 Infectious Music )

12/17/2012

Jordan: The Comeback / Prefab Sprout


「ネオアコ」という言葉は一部の人々が抱えている曖昧な「青春性」とあまりに結びつき過ぎている。この日本国内でのみ通用するワードが、80年代の(特に英米の)音楽を現在から理解する際に障壁となってはいないか?海外のページを注意深く観察していると「Sophisti-Pop」という概念にぶつかる。Aztec Camera、The Blue Nile、Scritti Politti、Prefab Sprout、The Style Council、Swing Out Sister、Orange Juice、Sade、Everything But The Girl などなど……これら全てのグループが「Sophisti-Pop」の名のもとに集約されている。こっちの方が変な恣意性がなくて分かりやすいと思うのだが…ということで選んだSophisti-Popの大名盤。(1990 CBS)

kings / Kuhn


 ブルックリンからの!若干24歳の!新進気鋭ビートメイカー!なんて、ありがちなイマっぽい肩書きを引っ提げたKuhn(キューン)。いつからかやけにSynth回帰 / Sweet Soul回帰が目に付くビートシーンに、異常な"臭み"でカウンターを仕掛ける彼の3作目が全曲素晴らしい。LuckyMeの朋友Obey Cityとの共作である"I Quit"はまさに先述したような売れ筋ど真ん中のアンセムトラックなのだが、後に控える3曲はいずれも癖の強い臭いを発している。捻くれたサンプル構築+複雑ながらもスマートなJukeビートで、ラスタに留まらず中東以東のトラッドの影響も感じさせる。過加工なコーラスが積み上げられた"Never Forget"はバッドトリップ感全開だし、"NWYRK"はWagon Christを現行ビートフォームでアップデートした様で非常に痛快だ。結局国内外でFootworkバブルはあっという間に弾けてしまったし、Trapの浸透にも不器用さを感じて心配してしまうけど、こういう頭の螺子が外れた音楽家はいつの時代にもどこかしらに自然発生するので、僕らも獣臭に鼻を利かせていかなくてはならない。(2012  CIVIL MUSIC)

Icky Mettle / Archers of Loaf


 91年結成、米ノースカロライナ出身の4人組による1stアルバム。彼らを紹介する際、USインディやローファイという共通点からかペイブメントが引き合いに出されることが多い。ただペイブメントが肩の力を抜いた、少しひねくれた感じであるのに対し、アーチャーズオブローフは個性的なヴォーカルが聴く者の心を揺り動かす、エモーショナルな一面を持っている。全体に漂うやるせない空気がなんとも言えない。2ndアルバム「Vee Vee」も名作だけど・・・やっぱりこっちで。(1993 Alias)

AQUA / 佐藤博


 2012年を振り返って、山下達郎と松任谷由実のベストアルバムリリースもそうだが、いわゆるシティポップスというものが最注目されていたように感じた。そのような年に佐藤博がなくなったのはとても印象的であった。ティン・パン・アレイへの参加でも知られる彼はまさに日本のポップスが色づく時代を作り上げたその人である。彼のソロ作にはこだわり抜かれた多重録音によるサウンドプロデュースがある。本作でも彼の代表作「awakening」(1982)で魅せたメロウな「シティ」感に加えオリエンタルな響きが相まり、そのオリジナリティを高めている。当時の最先端だった音像は今聞いても全く衰えていない。(1988 アルファ)

Flower bed / 渡辺美里




 渡辺美里5thアルバム。小室哲哉、岡村靖幸、佐橋佳幸、大江千里等作曲家陣が超豪華。
良い曲だらけなアルバムですが、特に聴きどころをあげるなら、渡辺美里作曲の「やるじゃん女の子」。なんでセリフ終わりでいきなりマイナーにいくのか。怖いよ、それが彼女の最後の言葉だったみたいな感じするじゃん。(1989 EPIC)

It's Your World / Gil Scott Heron & Brian Jackson




 昨年(2011年)5月逝去した事も多くのソウル・ファンには記憶に新しい、ギル・スコット=ヘロンとその盟友ブライアン・ジャクソンによるライヴ盤。CDは2000年にリリースされ、ソウル、ファンクのファンは
 勿論、レアグルーヴやヒップホップ等多方面から熱いリスペクトを受け続け、逝去時にはラップの先駆者として毎日新聞に訃報が載ったという、レジェンドの名にふさわしいギル爺の名盤中の名盤である。彼の元の父はキューバ系のサッカープレイヤー、母はオペラ歌手、離婚後の母の再婚相手はプエルトリカン、少年時代をプエルトリコ系コミュニティの中心地であると同時に、ビートニク文化の中心地であったNYのチェルシーで過ごすなど、後の音楽性への強い影響の伺うことのできる出自を持つ。表題曲は、この世界に生まれてきたのだから!自由を!という広大でアツいメッセージを、民族意識などはたはた薄い大和民族の一小娘にも感じさせてしまうスゴい曲。2曲目以降続くラテン・ジャズな楽曲からにじみ出るのは、プエルトリコやアフリカン・アメリカン、つまり米における人種的マイノリティとしてのアイデンティティの誇示。聞きやすくオシャレな曲に鋭利でラディカルなメッセージを挟みつつ、ポエトリー・リーディング、最早ラップのようなトラックを入れてくるあたりも彼が「黒いディラン」と呼ばれる所以である。Esther Phillipsのカバーでもソウルファンには身近なHome is where the hatred is、それからPaul WellerやJoe Bataanなどのカバーでも有名なThe Bottleも、このライヴでは曲中盤にて、オリジナルバージョンのわりとクールでさりげないイメージをこれでもかと裏切り怒号のように繰り広げる、プエルトリカン的血湧き肉踊るリズム隊のソロは、鳥肌モノで感極まること請け合いである。リリカル・テロリストな彼の音楽から発せられる重い詩のパワーの洗礼を受ける事は、全ソウル・レアグルーヴ・ヒップホップファンの使命ではないだろうか。
(1976 Arista)

The Vault: Old Friends 4 Sale / Prince


                                       
 殿下が長年の宿敵(?)ワーナーブラザーズとの契約解消のためだけにリリースした没曲集。ストックが数千曲あるとか世界で一番ブートレグが多いとか真偽の程は不明な伝説を数多く持つ殿下の、公式ブートレグといった意味合いが強いアルバム。ブートレグで名曲とされてきた曲も多く収録されているらしい。コンセプチュアルで時には疲れを催す殿下のアルバムから自由になった楽曲は、普段の殿下からは想像できないほど自由で、まるで私たちリスナーに語りかけてくるようですらある。運が良ければブックオフの500円コーナーに転がっているので、是非手に取ってみてほしい。ブートレグを死ぬほど集めた殿下のマニアの気持ちが理解できるはずだ。 (1999 Warner Bros / Wea)

100年後 / OGRE YOU ASSHOLE


 DTM・DAW・インターネットの発展が容易にしたもの、それは「音楽制作」ではなく「努力」だった。簡単に努力ができるようになった時代において、改めてエジソンの言葉を思い出すならば、クローズアップするべきは「1%のひらめき」である。「100%の努力」で作られた音楽にも美しさはあるが、しかしそれが市場に流通し過ぎている感は否めない。さて、問題はオウガ・ユー・アスホールの現時点で最新のアルバム『100年後』である。前作『homely』も良かったのだが、まだ微妙に「努力で作ってる感」があったのに対し、『100年後』はどう頑張っても努力だけでは作れないアルバムだ。と同時に、ある音楽が「フォロワー」を生むためには「ひらめき」が必須である事を実感させてくれる。彼らがデビューした時にはまさかこんなモンスターバンドになるとは思っていなかったが……。(2012 Vap)

The Time Has Come / Anne Briggs


 60~70年代初期を中心に活躍した英国出身のフォークシンガーAnne Briggsのセカンドアルバム。木漏れ日フォークと呼ばれるフォークとは対照的に森の奥でひっそりと歌われているような印象を受ける作品(ちなみにこの作品の邦題は『森の妖精』)。ギター1本をバックにして素朴に、そして淡々と歌い上げている。素朴という点では同年代の英フォークシンガーVashti Bunyanと似ている。しかし、その淡々と歌い上げる様は俗世間と距離を置こうとする意思表示のようであり、まさに『森の妖精』のような存在であり続けている。(1971 Topic)