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12/17/2012

Music Is The Healing Force Of The Universe / Albert Ayler


 ノイズやフリージャズや現代音楽などの、ディスクユニオンだったら全てごちゃまぜにアヴァンギャルドの棚にぶち込まれている音楽の多くは、雑誌やらブログやらでどんな凄い音楽なのか妄想を膨らましている時が一番楽しかったりして、実際聴いてみたらこんなもんか、とかなんだかよくわかんない、とかで期待外れなことが多い。語られ方と実作品との乖離が最も激しいジャンルの内の一つであると言って良いと思うのだが、それもある意味では仕方なく、だってアルバムのタイトルがMusic Is The Healing Force Of The Universeとかだったりするわけだし、実際聴いてみたらいわゆる癒しとは対極にあるような音楽だったりするわけで、そりゃなんか理屈つけて小難しいこと語ってみたくもなる。でもまぁ、大体全てを話半分に適当に聴き流しとくのが最も良いのであって、アイラーのサックスは凄くキャッチーだなぁと思っておけばそれで良い。キャッチーと思わなくても、まぁそれはそれで別に良い。なんか良い感じがしたり、また聴きたくなれば聴けば良い。
最後に、もちろんさん、ありがとうございました。(1969 Impulse!)

6/26/2012

Zawinul / Joe Zawinul

ジャズに初めてエレピを持ち込んだ(とされる)ピアノ奏者、Joe Zawinulの1971年に発表されたソロアルバム。彼はWeather Reportのメンバーでもあり、Miles Davisの"In a silent way"、"Bitches brew"といった傑作にも参加している。このアルバムの各曲には副題がついていて、「船でフランスからニューヨークに来たときの第一印象」などのように、過去の瞬間においてZawinulが見たり、感じたりしたことを追体験する、というのがコンセプトになっている。セッションプレイヤーのソロ作というと、単にリーダーが派手なソロをひたすら弾き倒すだけの作品が多い気がしてしまうのだが、このアルバムには全くそういうところが無い。 Zawinulのピアノは全曲を通して控えめではあるのだが、単なるエレクトリックジャズに収まらない、内省的かつ幻想的な音楽を展開している。フュージョンっぽかったり、また現代音楽の要素もあったりと、一言でこの独特なサウンドを表現することはできないが、とにかく聴く人の印象に残る作品だと思う。

3/24/2012

A Forest Dark / Satan is my Brother

ミラノの6人組ダークジャズバンドの2ndアルバム。1911年にMilano Filmsで作成されたL'infernoという無声映画の仮想のサウンドトラック、というコンセプトの作品。(初回100枚にはこのL'inferno のDVDがついてくるのだが、英語の字幕がついていても得体の知れない作品だった。)ダークジャズというとBohren & Der Club of Goreのようなグワーッと重くてアダルティな感じの音を思い浮かべる人も多いと思うが、こちらはずいぶんウェットな音で、37分という短い尺の中でも豊かな世界観を感じさせる。地味なようでスルメ的中毒感を持つ音響を作り出したのは、やはりミラノの若手音響作家であるAttila Faravelli。

8/20/2010

『真夏の夜のジャズ』 Jazz on a Summer's Day

58年のジャズ・フェスティバルを収録した同名映画のサウンドトラックですが、ぜひとも映像と一緒に味わって欲しい作品です。
80分に凝縮されたニューポート真夏の4日間。桟橋の先に色とりどりの舟、青い海を走るヨットの帆と飛沫の白、街を縫って走るジープの楽隊。どこをとっても息を呑むような素晴らしいカットばかりです。
オープニングを飾るジミー・ジュフリーのテナーは波間を転がるよう。セロニアス・モンクもリラックスしていながら、たった1小節であっさり私たちの心を攫っていきます。そして全盛期にあったアニタ・オデイ。「スウィート・ジョージア・ブラウン」に続いて歌う「二人でお茶を」のスキャットは冴えに冴え渡って会場を包み込み、場の空気を作り上げていく様子がそのまま目に映るかのようです。ああ素晴らしい!
フレッド・カッツによる無伴奏チェロ・ソナタを挟んだ夜の舞台は”クイーン”・ダイナ・ワシントンの「オール・オブ・ミー」で幕を開き、謎のゲスト、チャック・ベリーのご登場。神出鬼没なダック・ウォークの行き着く先にはルイ・アームストロング・オールスターズ!父よ…。溢れる幸福感に何度でもうっとりしましょう。
マイルズもコルトレーンもロリンズも登場しませんが、フィルムが終わる頃には既にジャズのとりこになっているあなたも、何度となく「ジャズ」に首を捻らされてきたあなたも、きっと真夏の夜の観客になっているはず。

3/27/2010

1976 Solo Keyboard Album / George Duke

個人的に「1976」という年、その字面には神性さえ感じてしまう。使用楽器は70sビンテージキーボードオールスター+ドラムのみという男気、それも全編ジョージ・デュークひとりによるオーバーダビングという常軌を逸した、全くもって俺に良しな盤。正直言って、のっけから異常なテンションで音の粒が眩いばかりに乱舞する一曲目『Mr. McFreeze』にこのアルバムの魅力は全て集約されている。宇宙に飛んで行けます!

1976 / The Keyboard Circle

昨年発掘リリースされた、トゥーツ・シールマンス翁とも懇意だった稀代のFender Rhodes狂い、Rob Franken氏を含む、Rhodes二台&バカスカドラムのオランダ人トリオによるスタジオライブ盤(音像も最高)。鍵盤奏者二人はアナログシンセも併用、ベースとオブリガートを入れてお互いにバックアップするというニクさ。これ以上のものが存在するかという程に史上最強のRhodes盤。(だって延々Rhodes弾いてるんだもん…)

Helen Merrill / Helen Merrill

”ニューヨークのため息”ヘレン・メリルが、クリフォード・ブラウン(tp)と共演でレコーディングした一枚。村上春樹が#6『Born to Be Blue』について、「ブルーではあるものの、決して陰鬱ではない。優しく、美しく、洒脱な歌だ。」と言っていますが、アルバム全体がそのような雰囲気に満ちており、一面に青のフィルターがかぶせられたジャケットは、まるでそのことを象徴しているようです。54年録音。