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12/17/2012

It's Your World / Gil Scott Heron & Brian Jackson




 昨年(2011年)5月逝去した事も多くのソウル・ファンには記憶に新しい、ギル・スコット=ヘロンとその盟友ブライアン・ジャクソンによるライヴ盤。CDは2000年にリリースされ、ソウル、ファンクのファンは
 勿論、レアグルーヴやヒップホップ等多方面から熱いリスペクトを受け続け、逝去時にはラップの先駆者として毎日新聞に訃報が載ったという、レジェンドの名にふさわしいギル爺の名盤中の名盤である。彼の元の父はキューバ系のサッカープレイヤー、母はオペラ歌手、離婚後の母の再婚相手はプエルトリカン、少年時代をプエルトリコ系コミュニティの中心地であると同時に、ビートニク文化の中心地であったNYのチェルシーで過ごすなど、後の音楽性への強い影響の伺うことのできる出自を持つ。表題曲は、この世界に生まれてきたのだから!自由を!という広大でアツいメッセージを、民族意識などはたはた薄い大和民族の一小娘にも感じさせてしまうスゴい曲。2曲目以降続くラテン・ジャズな楽曲からにじみ出るのは、プエルトリコやアフリカン・アメリカン、つまり米における人種的マイノリティとしてのアイデンティティの誇示。聞きやすくオシャレな曲に鋭利でラディカルなメッセージを挟みつつ、ポエトリー・リーディング、最早ラップのようなトラックを入れてくるあたりも彼が「黒いディラン」と呼ばれる所以である。Esther Phillipsのカバーでもソウルファンには身近なHome is where the hatred is、それからPaul WellerやJoe Bataanなどのカバーでも有名なThe Bottleも、このライヴでは曲中盤にて、オリジナルバージョンのわりとクールでさりげないイメージをこれでもかと裏切り怒号のように繰り広げる、プエルトリカン的血湧き肉踊るリズム隊のソロは、鳥肌モノで感極まること請け合いである。リリカル・テロリストな彼の音楽から発せられる重い詩のパワーの洗礼を受ける事は、全ソウル・レアグルーヴ・ヒップホップファンの使命ではないだろうか。
(1976 Arista)

3/27/2010

Inspiration Information / Shuggie Otis (1974)


リズムボックスがことこと刻むミニマルなビートの上で、ソウルフルだが控えめなギターやオルガン、軽やかなストリングスが融け合う。ほぼ全楽器を担当したShuggie(当時21歳)による究極のハイクオリティ宅録アルバムといえる。即興による緊張感とは対極の、完成された優美な質感をもった世界。ブルース仕立てのファンク、ソウル、ダブ。最後は長尺のスピリチュアル・ジャズ? あまりに多彩かつアブストラクトで、小ネタ集の趣もあるために、サンプリングの格好の材料ともなった。

Gold Experience / The Artist Formerly Know As Prince

殿下ことプリンスが、「プリンスの死」を宣言し、自身の名を「O)+>」としてから、二作目のフルアルバム。そして彼が「O)+>」のデビュー作とした作品。現在は廃盤となってしまっている作品ではあるが、彼の数多くのリリースの中でも最もポップで明るく開けた印象を受ける作品のうちの1つであるように思う。キラキラと輝きながらも混沌と流れていく60分間は、まさに「黄金の体験」である。特に、アルバムの最後を飾る「Gold」は圧巻。セールスも振るわず、明らかに過小評価されている作品のように思うので、より多くの人に聴いて欲しい作品。

Green Onions / Booker T.& The M.G.'s

62年デビュー。「.」と「'」の場所を覚えるのが結構たいへんなんですが、頑張って覚えてあげてください。黒人ブルースのレーベル、スタックス・レコードの出身で、バック演奏からバンドデビューして有名に。黒い中にもリーダーのBooker T.のオルガンがメロウで洗練をかけてます。彼らは登場しませんがスタックス・レコードは『キャデラック・レコード』として最近映画にもなりました。