3/24/2012
The Honeybunch TV Show / Hairsalon
こやまだいち氏の宅録1人ユニットHairsalonの唯一のアルバム。2005年作品。温かみのあるカラフルなジャケットもこやま氏によるもの。これをジャケ買いせずに何をジャケ買いするのか。ソフトロック、AOR、JAZZ、A&Mサウンドなどを基調にしたシンセ・ポップに凝ったアレンジ、中性的、匿名的なボーカル&コーラス。このアルバムを通して感じられる冬っぽさはリバーブやシンセの音のもやっとした感じがそうさせるのでしょうか。少し肌寒い頃にマフラーをして聴きたいアルバムです。
... Like Nothing Else You Ever Tasted / Bobbie's Rockin' Chair
単にパーフリ、渋谷系フォロワーみたいに語られがちなBobbie's Rockin'
Chair。しかし彼らほどソフトロックを愛し、実践したグループは他にいないと思う。このアルバムは以前に出したEPをまとめた編集盤で、韓国
Beatball
Recordsよりリリースされました。レコード好きな人たちがバンドやってみましたって感じがいいです。男女混声パパパコーラスに感涙。
くまちゃん / モダンチョキチョキズ
邦楽史上最大規模の器用貧乏コミックバンド(?)モダチョキの4枚目にして最後のオリジナルアルバム。面白いんだか面白くないんだかよくわからないままに繰り出される数々のネタ、ジャンルレスで妙にハイクオリティな楽曲と、次々に入れ替わるメンバー等、油断してかかると消化不良間違いなしの詰め込み過ぎな一枚。これはもちろん、褒め言葉。アルバムの最後に予告されている次回作のリリースを待ってます!1994年リリース。
There's Nothing Wrong With Love / Built to Spill
Ames Room / Silje Nes
ノルウェー出身のいまいち読み方に自身の持てないシンガーソングライターSilje Nesの2007年にFat Catからリリースされた、1人で全ての楽器を扱った自宅録音アルバム。彼女のデビュー作である。その端正なルックスからか歌姫的なポジションで扱われるがその才能は確かである。Nadjaみたいなアートワークとは裏腹にとても繊細なウィスパーボイスとアコースティックに様々な音が加えられ、それぞれが魅力的で落ち着きのある雰囲気を作り出している。ジャンルこそエレクトロニカという分類をされるもののリコーダーやおもちゃのような音、よくわからない効果音が録音されており遊び心たっぷりな気もするが絶妙にマッチ。ファナ・モリーナとよく比較されることが多いが、より自然でやさしい音響はまさにノルウェイの森である。曲が複雑なわけではないがとても深みがあり洗練されている印象を持つ。2010年には二枚目となる「Opticks」がリリースされ、ジャケットは相変わらずハードコアな匂いを漂わすもののこちらもオススメ。
A Forest Dark / Satan is my Brother
ミラノの6人組ダークジャズバンドの2ndアルバム。1911年にMilano Filmsで作成されたL'infernoという無声映画の仮想のサウンドトラック、というコンセプトの作品。(初回100枚にはこのL'inferno のDVDがついてくるのだが、英語の字幕がついていても得体の知れない作品だった。)ダークジャズというとBohren & Der Club of Goreのようなグワーッと重くてアダルティな感じの音を思い浮かべる人も多いと思うが、こちらはずいぶんウェットな音で、37分という短い尺の中でも豊かな世界観を感じさせる。地味なようでスルメ的中毒感を持つ音響を作り出したのは、やはりミラノの若手音響作家であるAttila Faravelli。
... And The Ever Expanding Universe / The Most Serene Republic
Broken Social Scene及びそのメンバーたちのバンドが所属するカナダのレーベル、Arts & Craftsの男女7人組バンド。レーベル初のBSSメンバーではないバンドだそうです。(BSSは最大20人越えらしいですが何人おんねんと言いたくなります)。大所帯でカナダというとまさに先述のBSSやArcade Fireですが、カブってるという感じはあまりせず独自の雰囲気を持っています。クラシカルな室内楽かと思いきやきらきらシンセの四つ打ちが出てきたり轟 音ギターもちゃっかり入ってたりしますが、一貫してグッと来るメロディがあることでただ突飛なことをやっているという印象は無いと思いました。いわゆる 「ポップでローファイ」という枠からもいい具合にはみ出した感じがとても好きです。
11/03/2010
東ファウンテン鉄道 / the ARRWOS
坂井竜二(Vo) 率いる名古屋出身のロックバンド、the ARROWSのインディーズ1st アルバムにして、初の日本全国展開作品。現在は廃盤。某邦楽ロック専門雑誌を読んで育ったという彼らは、様々な文脈の音楽の要素を巧みに組み合わせ、それでいていやらしくなく、自然と彼らの音楽にまとめてみせる。この1 枚を聴けば、メジャーデビュー後のチャラチャラしたパブリックイメージ(確実に売り出し方を間違えていると思う)とは異なり、実はかなりストイックな実力派バンドであることがよくわかるはず。特に、疾走感溢れるビートにノイジーなギターが乗り、浮いた歌詞でさらりと仕上げたM3「ロックンロールダンシングガール」や、緩急の激しい至高のオルタナロックM4「風待ち」は名曲。隠れに隠れた、来る再評価を待つ邦楽ロックの名盤。
Single Collection and more / Folder+Folder5
先日、13 年越しにもなる私的再評価が俄然実現したFolder(5については後述) のシングルベスト。幼少の頃ポンキッキーズで耳にしていた頃には気付くべくもなかった、ヤング三浦大知のソウル神童ぶりには舌を巻くばかり。Folder 期におけるコモリタミノル、長岡成貢らによる黄金期SMAP よろしくのPSYCHO ~にグルーヴィーなサウンドプロダクションは珠玉だが、Folder5になってからの軽薄極まる楽曲は申し訳ないが産廃レベル。満島ひかりェ…
Souvlaki / Slowdive
シューゲイザーと括られることが多いけど、空間系エフェクトをかけまくったサウンドはどちらかといえばコクトー・ツインズに代表される4AD 系を引きずっていたSlowdive。そんな彼らの2nd アルバム。まず聴くべきは2nd の本体ではなくリマスター盤Disc2 に収録されている「In Mind」( 元々は『5EP』というシングルに収録されていた)。この曲はエイフェックス・ツインmeets シューゲイザーとも評されたが、実際そう呼ぶにふさわしい名曲。90 年代のロックとテクノの相互乗り入れみたいな作品は今聴くと笑ってしまうようなものも多いが、Seefeel と並んでこれは今でも聴けるどころか未だ乗り越えられていないでしょう。ただしジャケットが謎のダサさ……。なんで?
かまボイラーファースト / かまボイラー
サンボマスター山口隆プロデュース作品。山口隆はコーラスやギターで共演もしている。山口隆がほれ込んだ清水貞信(Gt,Vo)率いる4 ピースロックバンドの1st ミニアルバム。仮面ライダーの怪人の名前から取ったといわれる、一見するとコミックバンドのような名前とは裏腹に、彼らがかき鳴らすのは、鬱ぶった自意識過剰な健康優良児のための邦楽ロック界ではなかなか聴けない、力強くも、どこか懐かしい純真なロックンロールである。M1「ミミタブ」M5「イワナホンドボー」は独特の歌詞にも注目。現在活動休止中であるのが本当に惜しい。
666: Apocalypse of St John / Aphrodite's Child
アフロディテス・チャイルドは後にシンセサイザー音楽や『炎のランナー』『ブレードランナー』などの映画音楽で有名になるヴァンゲリスが1967~1972 年頃に組んでいたギリシャ産バンド。もともとプログレ好きかつヴァンゲリスのファンだったので「ソロになる前に組んでいたバンドかぁ…まあハズレでも良いか」みたいな軽い気持ちで聴いたのだが、これがやられた。この盤は中毒性あります。2 枚組なのになんども聴き返してしまう。これが1971年の作品だってのが凄いなぁ…プログレだからといって別に超絶
技巧だとか、変拍子の嵐だとかそういうわけではありません。単純に良い曲が詰まったアルバムです。よく「プログレ隠れた名盤」と書いてあるのを見ますが、隠れる必要がないと思います。
技巧だとか、変拍子の嵐だとかそういうわけではありません。単純に良い曲が詰まったアルバムです。よく「プログレ隠れた名盤」と書いてあるのを見ますが、隠れる必要がないと思います。
Rashida / Jon Lucien
柿色バックに、チリ毛に髭。そしてタートル。蒸し暑いジャケの期待を裏切り、さざ波と少女の笑い声で始まる、jon lucien73年の渾身作。故郷カリブ海の薫りを皮切りに(それも適量)、brianwilson もびっくりな旋律と和声。ド70‘s なレアグルーブ。しとしと降るローズ。洒脱なオケアレンジ。純真な恋の詩に潜めた、ニューソウル的反戦歌。ボッサもサンバも。色々ごった煮な、まさに島国気質アルバム。渾々と尽きない発想の波は気持ちいいです。身を委ね、ぼおーっと聴こう。
Hell's Ditch / Pogues
「ケルティック・パンク」なんていうこの上なく胡散臭いジャンルで呼ばれる、いかにも90 年代な怪しさムンムンなこのロンドンのバンドが、アレックス・コックス監督の『ストレート・トゥ・ヘル』のエンディングを担当している、と言えば、西部劇に関心のある方には反応して頂けるでしょうか。あるいは、このアルバムのプロデュースを手がけているのが、若きジム・ジャームッシュと共にその映画に登場するジョー・ストラマーなのだ、などと得意げに言ってしまったら、当たり前すぎて熱心なファンの方に怒られてしまうのかもしれません。しかし、そんな際どいバンドが繰り出す際どい40 分間の終わり間近に突然流れだすリフレインが、ビーチボーイズの『ペット・サウンズ』へのオマージュだと気付いてしまったら、「あんだって?」すら通り越して、もうこのバンドの如何わしさに一時を預けてしまおうと思っても、間違いとは言えない…かも知れません。
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