6/26/2012

Zawinul / Joe Zawinul

ジャズに初めてエレピを持ち込んだ(とされる)ピアノ奏者、Joe Zawinulの1971年に発表されたソロアルバム。彼はWeather Reportのメンバーでもあり、Miles Davisの"In a silent way"、"Bitches brew"といった傑作にも参加している。このアルバムの各曲には副題がついていて、「船でフランスからニューヨークに来たときの第一印象」などのように、過去の瞬間においてZawinulが見たり、感じたりしたことを追体験する、というのがコンセプトになっている。セッションプレイヤーのソロ作というと、単にリーダーが派手なソロをひたすら弾き倒すだけの作品が多い気がしてしまうのだが、このアルバムには全くそういうところが無い。 Zawinulのピアノは全曲を通して控えめではあるのだが、単なるエレクトリックジャズに収まらない、内省的かつ幻想的な音楽を展開している。フュージョンっぽかったり、また現代音楽の要素もあったりと、一言でこの独特なサウンドを表現することはできないが、とにかく聴く人の印象に残る作品だと思う。

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